和歌山県 印南町 東光寺 小栗判官 ナギの古木 薬師堂 長寿祈願
東光寺の境内には鎌倉時代建立の宝篋印塔があり、また樹齢七百年以上の竹柏の老樹等もあり寺暦は七百年以上で、もと真言宗寺院であったと考えられます。
現在の浄土宗に改宗されたのは寛正年間に明秀上人によります。
当寺の薬師如来様には小栗判官・照手姫伝説があり、今なお薬師如来の霊場として信仰を集め印南浦(印南町)での熊野古道の中継地(休憩所)としてまた、
医術未開の時代には施療の本拠として庶民の生活を支えてきた古刹です。
熊野九十九王子社の中でも五体王子社(藤白、切目、稲葉根、滝尻、発心門)の中でも最も著名な一つです。
それだけあって、境内は他の王子よりも広々としています。境内には、幹周約4m、高さ16m、樹齢約300年で県指定の天然記念物のホルトノキがそびえたっています。
後鳥羽上皇が歌会を催し、11人の方々が懐紙に感慨の和歌をしたためた「切目懐紙」は国宝となっています。
現在は、京都西本願寺に秘蔵されており、その写しが巻物となって残されています。
叶王子を後に42号線を南にいくと国道沿いに、イヌマキの大樹やエノキ、クスノキなどに囲まれて、斑鳩王子を示す大きな柱が立っています。
紀伊国続風土記では冨王子、御幸記では「イカルガ王子」と呼ばれています。
この王子社は、少し変わった形をして、海に向いて建っています。
藤原宗忠の「中右記」、藤原定家「熊野御幸記」共に、この王子社に参拝した記述があることから平安時代に成立したものと思われています。